After the message to Japanese readers, there is a message to English readers.
日本語読者の皆さまへ
2023年も7日が終わってしまいました。正月用LINEスタンプに「もっと休みでもいいじゃないですか」というものがあるので、この1週間はそればかり使っています。
今日は・最近の良かったもの
・2023年の抱負/テーマ
について書きます。
最近の良かったもの
①ア・ラ・カルト公認レストラン「僕のフレンチ」~レストランは人なり~
ア・ラ・カルトとは毎年末に俳優・高泉淳子が主催する、芝居とジャズ音楽を組み合わせたショーのことです。
1989年から青山円形劇場でバイオリニスト・中西俊博を迎えて『ア・ラ・カルト 役者と音楽家のいるレストラン』を公演、25年にわたるロングランとなっていましたが、同劇場閉館に伴い2013年に一旦は終了。2014年のアンコール、2015年の休憩を挟みながらも場所を変えて2016年からは上記の名前となり、今に至るまで続いている歴史あるお芝居です。
芝居好きの両親に連れられて初めて観たのが2016年の復活公演、それ以来受験の2019年を除けば毎年観ているのですが、毎年観ても毎年楽しいのがとても不思議です。色とりどりのゲスト陣によって同じ台本でも脱線の仕方が変わったり、音楽のチョイスが変わったり、去年と同じキャラクターが登場すると常連でちょっと盛り上がったりと、毎年末と決まっているからこその楽しみが味わえます。
高泉淳子といえば変幻自在の演じ分けで有名ですが、①レストランオーナーの高橋くん(高泉淳子の当たり役・山田のぼるを彷彿とさせます)②クリスマスに一人で食事をする女性③ゲストとともに演じる恋人どころか友人未満の男女④シンガー高泉淳子⑤歌が上手すぎるおばあちゃん宇野千代子⑥おじいさんと喧嘩するおばあさん、を2022年もやってくれました。一番好きなのは宇野千代子。
音楽も大事です。中西さんは何年経っても生き生きとフィドルで歌い、竹中俊二さんは飄々とものすごいギターテクニックを見せ、ブレント・ナッシーのベースは安定と躍動のバランスを見事に取って進んでいく。でも何と言っても推しはジャンルの境界を悠々と飛び越えていくアコーディオンの佐藤芳明さん。佐藤さんの演奏するゴルトベルク変奏曲は素晴らしいので是非聞いてみてください。サブスクリプションにもあります。
②三谷幸喜作・演出・主演『ショウ・マスト・ゴー・オン』
こちらは東京公演を配信で鑑賞しました。配信はあまり好きではないのですが、何と言ったって主演・鈴木京香の代役を三谷幸喜が演じるというのですから観ないわけにはいきません。
大筋は単純明快、『マクベス』を上演中のあるカンパニーで、舞台開始前から終わった後までトラブルが続くだけのスラップスティック(ドタバタ)・コメディ。三谷幸喜が舞台監督役を演じることで生まれるアイロニーも新たなスパイスになっていて、劇と劇中劇を重ねたり劇中劇によって異化する効果も意識的に用いられていて、勉強になりました。
2023年には戦時中を舞台にした三谷幸喜の幻の傑作『笑の大学』の全国ツアーがあるのですが、こちらは兵庫公演も大阪公演も2分で残席はなくなり、福岡か長野に遠征するしかなくなってしまいました。つらい。
今年は2月にピッコロ劇団/ブレヒト『三文オペラ』、3月にKAAT神奈川芸術劇場プロデュース/黒澤明『蜘蛛巣城』などお芝居を観る予定も決まってきました。面白そうな演目があれば是非教えてください。
2023年の抱負/テーマ
2020年は「ダーツ旅行」、2021年は「住まい探し」、2022年は「大航海時代」という抱負/テーマを掲げてきましたが、2023年は「故郷を知る」という抱負を掲げたいと思います。
「ダーツ旅行」は数を打って存在を認識してもらうこと。「住まい探し」は自分の基盤となる居場所を作ったり探したりすること。「大航海時代」は居場所を軸にしながらも外に出ていくこと。そういう思いでした。「故郷を知る」はどちらかといえば外へ外へと出ていったこの3年間を糧にしながらも、この3年間を反省するために掲げます。
無暗に挑戦するのではなく今自分がどこに立っていて、それはどんな人と作ってきた場所で、どんな時間の先にできた住まいなのかを改めて見つめ直す。小説も、闇雲に挑戦してきたところのある3年間でしたが、改めて原点に立ち返りたいと思っています。その上で、「故郷」でやるべきことは沢山見えてきました。
「故郷を知る」は外に出ないという意味ではなく、たくさんお仕事をするなかでの態度の話ですので、今年も是非ご依頼などお待ちしております。
来週の日曜日、1月15日は京都文学フリマに一般参加の予定です。お会いできる方、楽しみにしております!
For English Readers
Hello. How was your first week in 2023? I spent the week as usual, busy with writing stories, reading, and enjoying the theater.
I'll repeat the announcement I made last week. If you missed it, please check it out now.
I am looking for Microfiction!
I started a web magazine specializing in microfiction in Japan. It is a weekly web magazine introducing only fiction of about 1,000 characters in Japanese (This is 350-400 words in English), and a paper version will also be published in Japan.
I would like to actively introduce international writers, mainly LGBT+ and BIPOC writers, in this magazine. If you have a 350-400 word microfiction, please send it to "6kurenai1yukari@gmail.com" (only one piece is allowed).
You may also tell your friends about this project. I look forward to reading some great stories from you and your friends!
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Thanks for reading this week.
Next week I will be in Kyoto for an event selling Fanzine there, but I hope to continue bringing you the newsletter as well.